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会計に1時間も待たされた後、薬局に薬をもらいに行った。
「朝、昼、晩、食後に一錠飲んでください。もし、具合が悪い時があれば、食後でなくても服用してもかまいません。」
そう言われて、一週間分の薬を出された。
もう1時近くだったので、車で帰る途中、帰り道のパン屋で何種類かパンを買った。家につくと、テーブルにパンを並べ、「あれおいしそうね」「これ、おいしいよ」などと言いながら、遅い昼食をとった。
コーヒーを飲みながら「それにしても、由利先生って思ったより若い先生だったわね」と母。
「あぁ、若いのにしっかりしてたなぁ」
「お化粧もしてなかったしね」
「それにしても・・・、本当に薬なんて飲まにゃならんのかねぇ」ふいに父がぽつりと言った。
しばらく母も黙っていたが、「でも、先生がおっしゃるんだから・・・。それでまた元気になれるんだったら。ずっと飲み続けるわけでもないだろうし・・」と言って、ねぇと私の方を見る。
正直、私もちょっと不安だった。胃薬や風邪薬なら飲みなれてるからなんてことはないが、安定剤なんて自分には縁のないものと思っていたし、なにしろこの手の薬は服用したことがない。ちゃんとした診断結果が出て、しかも大学病院の先生が出してくれた薬なのだから、安心していいのだろうが、やはりなんだかとまどってしまう・・。
「食後に一日三回ってだから、さっそく飲んでみる」
私がそう言うと、そうだね、さっそく飲んでおきなさいと私の不安を察してか、両親が微笑みながら言う。
母が水を持ってきてくれた。
私はシートから一錠薬を取り出すと、思い切って水と一緒に胃に流し込んだ。
その後、しばらく家族でテレビを見ていたが、私はなんだか急に眠たくなったので、部屋に行きベットに横になった。
「夕ご飯できたよ」と夜の7時頃、母が起こしにくるまで、夢も見ずぐっすり眠っていた。起きて階下に行ったがひどくだるくて、頭がぼんやりしている。早くまた眠りたかった。
「朝、昼、晩、食後に一錠飲んでください。もし、具合が悪い時があれば、食後でなくても服用してもかまいません。」
そう言われて、一週間分の薬を出された。
もう1時近くだったので、車で帰る途中、帰り道のパン屋で何種類かパンを買った。家につくと、テーブルにパンを並べ、「あれおいしそうね」「これ、おいしいよ」などと言いながら、遅い昼食をとった。
コーヒーを飲みながら「それにしても、由利先生って思ったより若い先生だったわね」と母。
「あぁ、若いのにしっかりしてたなぁ」
「お化粧もしてなかったしね」
「それにしても・・・、本当に薬なんて飲まにゃならんのかねぇ」ふいに父がぽつりと言った。
しばらく母も黙っていたが、「でも、先生がおっしゃるんだから・・・。それでまた元気になれるんだったら。ずっと飲み続けるわけでもないだろうし・・」と言って、ねぇと私の方を見る。
正直、私もちょっと不安だった。胃薬や風邪薬なら飲みなれてるからなんてことはないが、安定剤なんて自分には縁のないものと思っていたし、なにしろこの手の薬は服用したことがない。ちゃんとした診断結果が出て、しかも大学病院の先生が出してくれた薬なのだから、安心していいのだろうが、やはりなんだかとまどってしまう・・。
「食後に一日三回ってだから、さっそく飲んでみる」
私がそう言うと、そうだね、さっそく飲んでおきなさいと私の不安を察してか、両親が微笑みながら言う。
母が水を持ってきてくれた。
私はシートから一錠薬を取り出すと、思い切って水と一緒に胃に流し込んだ。
その後、しばらく家族でテレビを見ていたが、私はなんだか急に眠たくなったので、部屋に行きベットに横になった。
「夕ご飯できたよ」と夜の7時頃、母が起こしにくるまで、夢も見ずぐっすり眠っていた。起きて階下に行ったがひどくだるくて、頭がぼんやりしている。早くまた眠りたかった。
(9月16日)
あれからの私は、暇さえあれば眠っていた。
朝も起きるのがつらかったし、夜も夕食の後ソファに横になったとたん寝てしまい、母が「もう、お母さん寝るから自分の部屋に行きなさい」と言われ、眠い目をこすって時計を見ると10時すぎ。
「おやすみなさい」と部屋に行き、ベットに入った途端また眠ってしまうという毎日だった。
今日は見たいテレビがあったので、なんとしても起きていようと思っていたのだが、やはり夕食の後、強烈な睡魔に襲われ・・・。
「なみ、起きなさい。何時だと思っているの」
と母に起こされ、あわてて時計を見ると10時半すぎ・・。テレビ、見れなかった。部屋のベットにもぐりこむと、テレビが見れなかった後悔も忘れ、すぐに眠ってしまった。
あれからの私は、暇さえあれば眠っていた。
朝も起きるのがつらかったし、夜も夕食の後ソファに横になったとたん寝てしまい、母が「もう、お母さん寝るから自分の部屋に行きなさい」と言われ、眠い目をこすって時計を見ると10時すぎ。
「おやすみなさい」と部屋に行き、ベットに入った途端また眠ってしまうという毎日だった。
今日は見たいテレビがあったので、なんとしても起きていようと思っていたのだが、やはり夕食の後、強烈な睡魔に襲われ・・・。
「なみ、起きなさい。何時だと思っているの」
と母に起こされ、あわてて時計を見ると10時半すぎ・・。テレビ、見れなかった。部屋のベットにもぐりこむと、テレビが見れなかった後悔も忘れ、すぐに眠ってしまった。
(9月20日)
今日は病院の日。でも、なんだか外に出かける気分ではなかった。
でも、行かないわけにはいかない・・・。
簡単に身支度して階下に降りた。母がお化粧している。心配だからと母も付き添ってくれることになった。
今日は父が仕事でいないので、バスで行くわけにもいかず、タクシーで病院へ行くことにしていた。
9時半すぎ、母とタクシーをつかまえて乗り込んだ。
最初はなんともなかった。しかし、2,3分ほどたった頃、心臓がドキドキしだし、手のひらは汗でぐっしょり・・・。(落ち着かなきゃ、落ち着かなきゃ)と深呼吸を繰り返したが、今度は強い吐き気が襲ってきた。喉もからから・・・。私はパニックになってしまった。
「お願いです。引き返してください!車から降りたいんです!家に戻ってください!!」
私は悲鳴にも近い声で運転手に訴えた。
「なみ、なにをいってるの!」
「もう駄目!お願い、もう家に帰して!」
運転手がチラッとこちらをみる。
「お客さん、気持ち悪いんですか?でも、もう半分以上来ちゃったから、今から家に戻るよりも、病院行った方が早いよ」
「嫌!帰りたい!気持ち悪いの!」
「・・・どうしましょうか、お客さん」
その時、「このまま病院へいってください!」母が強い口調でそう言った。
今日は病院の日。でも、なんだか外に出かける気分ではなかった。
でも、行かないわけにはいかない・・・。
簡単に身支度して階下に降りた。母がお化粧している。心配だからと母も付き添ってくれることになった。
今日は父が仕事でいないので、バスで行くわけにもいかず、タクシーで病院へ行くことにしていた。
9時半すぎ、母とタクシーをつかまえて乗り込んだ。
最初はなんともなかった。しかし、2,3分ほどたった頃、心臓がドキドキしだし、手のひらは汗でぐっしょり・・・。(落ち着かなきゃ、落ち着かなきゃ)と深呼吸を繰り返したが、今度は強い吐き気が襲ってきた。喉もからから・・・。私はパニックになってしまった。
「お願いです。引き返してください!車から降りたいんです!家に戻ってください!!」
私は悲鳴にも近い声で運転手に訴えた。
「なみ、なにをいってるの!」
「もう駄目!お願い、もう家に帰して!」
運転手がチラッとこちらをみる。
「お客さん、気持ち悪いんですか?でも、もう半分以上来ちゃったから、今から家に戻るよりも、病院行った方が早いよ」
「嫌!帰りたい!気持ち悪いの!」
「・・・どうしましょうか、お客さん」
その時、「このまま病院へいってください!」母が強い口調でそう言った。
窓の景色も目に映るだけで、頭の中には入ってこず、パニック状態のまま、ひたすら深呼吸を繰り返しグッタリしているうちに病院の入り口に着いた。母がお金を精算するのも待てず、タクシーを飛び出し、私は病院の中へ駆け込んだ。
たまたま通りかかった看護士を見つけると、思わずすがりつき、
「助けてください、気もち悪いんです。・・・もう吐きそうで、立ってられないんです!」
看護士はびっくりして、一瞬戸惑っていたが、
「大丈夫?あなた何科の患者さんなの?」
「精神神経科です」そう言うと、私は立ってられずグッタリと座り込んだ。そこに、ちょうど母がやって来た。
「あなた、お母さんですか?とにかく、向こうのイスに座らせましょう」
私は母と看護士に抱きかかえられ、イス座らされた。
気持ち悪くて、普通に座れず横向きになり、うずくまってシートにもたれた。
「車椅子を持ってきますので、少し待ってて下さい!」
そう言うと、看護士は走っていった。
たまたま通りかかった看護士を見つけると、思わずすがりつき、
「助けてください、気もち悪いんです。・・・もう吐きそうで、立ってられないんです!」
看護士はびっくりして、一瞬戸惑っていたが、
「大丈夫?あなた何科の患者さんなの?」
「精神神経科です」そう言うと、私は立ってられずグッタリと座り込んだ。そこに、ちょうど母がやって来た。
「あなた、お母さんですか?とにかく、向こうのイスに座らせましょう」
私は母と看護士に抱きかかえられ、イス座らされた。
気持ち悪くて、普通に座れず横向きになり、うずくまってシートにもたれた。
「車椅子を持ってきますので、少し待ってて下さい!」
そう言うと、看護士は走っていった。
たぶん、少しの時間だったのだろうが、私にはずいぶん長い時間に感じた。やっと、看護士が車椅子を持ってくると、母と二人で私を車椅子に乗せてくれた。看護士からエレベーターの場所を聞くと、母は車椅子を押し始めた。私は気分が悪くて気分が悪くて、すれ違う人達がジロジロ見るのもかまわず、グッタリと車椅子に乗っていた。吐き気を抑えるのに必死だった。
2階の精神神経科に着くと、私は車椅子を飛び降り、近くにいた看護士に、
「気持ち悪いんです・・・。たすけて」
とすがりついた。看護士は、
「こちらへ」
と言うと、ベットのある場所へ連れてってくれた。私はベットを見るやいなや、その上に倒れこんで、口をおさえた。
車椅子を押してきてくれた母がどうしているか、なんて考える余裕もなかった・・・。
・・・30分程たっただろうか。
だいぶん、気分が楽になった。いや、落ち着いたといった方がいいのかもしれない。でもなんだか、ひどく疲れてもう少しベットで横になっていたかった。
ちょうどその時、ベットのまわりにひいてあったカーテンが開き、
「なみさ〜ん、気分は少し良くなったかしら?」
と由利先生が顔を覗かせた。
私はコクリとうなずいた。
「じゃあ、カウンセリング室に行くけど大丈夫かな?」
本当は、まだ起きたくなかった。でも、由利先生の言葉にはなにか断れない強さがあったので、私はしかたなくゆっくりと起き上がった。
ベットの下に揃えて置いてあったスリッパを履くと、由利先生の後について行った。気がつくと、母もついてくる。
「今日は、私だけだったよ、確か・・」
「うん、でもお母さんもちょっと先生に聞きたいことがあるの」
先生は、母も一緒に来ていることに驚きもせず、この前と同じ部屋のドアを開けた。
2階の精神神経科に着くと、私は車椅子を飛び降り、近くにいた看護士に、
「気持ち悪いんです・・・。たすけて」
とすがりついた。看護士は、
「こちらへ」
と言うと、ベットのある場所へ連れてってくれた。私はベットを見るやいなや、その上に倒れこんで、口をおさえた。
車椅子を押してきてくれた母がどうしているか、なんて考える余裕もなかった・・・。
・・・30分程たっただろうか。
だいぶん、気分が楽になった。いや、落ち着いたといった方がいいのかもしれない。でもなんだか、ひどく疲れてもう少しベットで横になっていたかった。
ちょうどその時、ベットのまわりにひいてあったカーテンが開き、
「なみさ〜ん、気分は少し良くなったかしら?」
と由利先生が顔を覗かせた。
私はコクリとうなずいた。
「じゃあ、カウンセリング室に行くけど大丈夫かな?」
本当は、まだ起きたくなかった。でも、由利先生の言葉にはなにか断れない強さがあったので、私はしかたなくゆっくりと起き上がった。
ベットの下に揃えて置いてあったスリッパを履くと、由利先生の後について行った。気がつくと、母もついてくる。
「今日は、私だけだったよ、確か・・」
「うん、でもお母さんもちょっと先生に聞きたいことがあるの」
先生は、母も一緒に来ていることに驚きもせず、この前と同じ部屋のドアを開けた。
この前と同じように、机を挟んで先生と向き合って座る。
母のイスは、壁に立てかけてあったパイプイスを先生が持ってきてくれた。
「今日は、具合悪くなっちゃったのね。お父さんの車で来たの?」
「いえ・・・、タクシーです」
「そう。で、どんな風に体調悪くなったの?」
「はい・・、最初はなんともなかったのですが、2,3分したら、胸がドキドキしてきて、喉はカラカラで呼吸も苦しいし、でも、なんとか落ち着かなきゃと深呼吸したんだけど、手のひらが汗でビッショリになってきて、そのうち景色も目に入らなくなって、すごい吐き気と不安感に襲われて・・・」
「・・・そう、大変だったね。お母さんもビックリされたでしょう」
「はい、それはもう・・・」
「えーと、お薬はあれから毎日飲んでる?」
「・・・はい」
「体調はどうかしら?」
「えぇ、特に変わったことはないけど、なんだか最近毎日眠くて・・」
と、その時
「先生、お聞きしたいことがあるんですけど」と、母が口を開いた。
母のイスは、壁に立てかけてあったパイプイスを先生が持ってきてくれた。
「今日は、具合悪くなっちゃったのね。お父さんの車で来たの?」
「いえ・・・、タクシーです」
「そう。で、どんな風に体調悪くなったの?」
「はい・・、最初はなんともなかったのですが、2,3分したら、胸がドキドキしてきて、喉はカラカラで呼吸も苦しいし、でも、なんとか落ち着かなきゃと深呼吸したんだけど、手のひらが汗でビッショリになってきて、そのうち景色も目に入らなくなって、すごい吐き気と不安感に襲われて・・・」
「・・・そう、大変だったね。お母さんもビックリされたでしょう」
「はい、それはもう・・・」
「えーと、お薬はあれから毎日飲んでる?」
「・・・はい」
「体調はどうかしら?」
「えぇ、特に変わったことはないけど、なんだか最近毎日眠くて・・」
と、その時
「先生、お聞きしたいことがあるんですけど」と、母が口を開いた。
「なんでしょうか?」
「はい、じつは、この子も今言ってたんですけど、最近なんだか心配なくらい寝てばかりで・・・。夜なんかも夕食を食べた後、ソファーに横になるとあっという間にぐっすり寝てしまうし・・。それも2,3時間くらい・・。。私が10時すぎて無理やり起こしたら、眠そうに目をこすりこすり、やっと自分の部屋に行くという感じで・・・。昼間も眠ってることが多いし、朝もなかなか起きなくて」
「そうなの、なみさん?」
「はい・・・、テレビ見たいんだけど、いつもすごく眠くなっちゃって・・・。母に起こされるまで全然目が覚めないんです」
私がそう言うと、先生はポツリと言った。
「・・・なみさん、とっても疲れていたのね」
その言葉を聞いた途端、急に泣きそうになった。
そう、私は疲れていたんだ。
「はい、じつは、この子も今言ってたんですけど、最近なんだか心配なくらい寝てばかりで・・・。夜なんかも夕食を食べた後、ソファーに横になるとあっという間にぐっすり寝てしまうし・・。それも2,3時間くらい・・。。私が10時すぎて無理やり起こしたら、眠そうに目をこすりこすり、やっと自分の部屋に行くという感じで・・・。昼間も眠ってることが多いし、朝もなかなか起きなくて」
「そうなの、なみさん?」
「はい・・・、テレビ見たいんだけど、いつもすごく眠くなっちゃって・・・。母に起こされるまで全然目が覚めないんです」
私がそう言うと、先生はポツリと言った。
「・・・なみさん、とっても疲れていたのね」
その言葉を聞いた途端、急に泣きそうになった。
そう、私は疲れていたんだ。
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